アメリカ空軍が開発中のボーイングKC-46Aペガサスの初号機(民間登録記号N461FT)が、2014年12月27日、ワシントン州のエバレット工場に隣接するペインフィールド飛行場で、ハイスピード・タキシーなどを実施しました。YouTubeに動画が投稿されています。
KC-46Aにはまだフライング・ブームは装備されておらず、この状態で初飛行してから空中給油に必要な機材を搭載します。当初の予定では2014年半ばには初飛行し、2015年初旬には空中給油システムを完備した状態で再び初飛行する予定でした。
給油システム以外は民間型の767で実証済みの機体ですから、間もなく初飛行するものと見られます。動画では、航空自衛隊のKC-767Jより暗いガンシップグレーでペイントされたKC-46Aを見ることができます。また、エンジンが取り付けられていないANAカラーの787や、エティハド航空のニューカラーの787なども見られます。
アメリカ海軍は、2014年12月12日、ロサンゼルス近海の沿岸警備隊のカッター(巡視船)USCGバーソルフ(WMSL-750)船上で、MQ-8Bファイアスカウトの実証試験を完了しました。
MQ-8Bは海軍が開発中の情報収集・監視・偵察(ISR)用の無人航空システム(UAS)で、これまで海軍のフリゲート艦や駆逐艦、沿岸戦闘艦での運用が試験され、地中海やアフガニスタン、アフリカで実際に使用されていますが、沿岸警備隊のカッターで試験するのは初めてです。今回初めて洋上レーダーと、移動地上局(GCS)とのインテグレーションが試験されました。
バーソルフは排水量4,300トンの新しい大型カッターで、紛争地域での運用を想定した戦闘艦に近い性格の船です。HH-65(AS365)ドルフィン・ヘリコプター2機を搭載可能ですが、今回の試験の成功によりUASの運用も可能であることが実証されました。
ノースロップ・グラマンは、2014年12月12日、APG-83 SABR(Scalable Agile Beam Radar)の試作機(EMD : Engineering, Manufacturing and Development)を、初めてロッキード・マーティンに納品しました。
APG-83 SABRは、アメリカと台湾空軍のF-16アップグレード計画に選定されたレーダー・火器管制システムです。契約から16カ月以内に、すべての部分を検証し、量産型と同じ機能のEMD機を納入しました。
APG-83 SABRは、多機能のアクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーで、手頃な価格と高い信頼性でF-16に第5世代の空対空・空対地戦闘能力を提供します。ノースロップ・グラマンは、1996年にウェスティングハウス・エレクトリックの軍需部門を買収し、F-22A用のAN/APG-77 AESAレーダーや、F-35用のAN/APG-81 AESAレーダーを開発・生産しています。
ユナイテッド・ローンチ・アライアンスは、2014年12月12日、アメリカ国家偵察局のペイロードを搭載したアトラスVロケットを、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地(AFB)から打ち上げました。
今回のロケットは同基地で打ち上げた最強力のアトラスVロケットで、1基あたり推力25万ポンドの固体ロケット・ブースター4基とメインエンジンで、合計推力は200万ポンド(約907トン)に達します。また、新設計の第2段ロケット・エンジンを使用するのも初めてでした。
アトラスVロケットは、日本のH-IIA/Bロケットとほぼ同規模のロケットです。また、H-IIA/Bの打ち上げを三菱重工が行うのと同様に、アトラスVもロッキード・マーティンとボーイングが出資するユナイテッド・ローンチ・アライアンスが打ち上げします。