浜松市の小学校で給食の食パンを食べた児童らがノロウイルスによる集団食中毒になった問題で、市は19日、食パンを製造した菓子製造会社「宝福」(同市東区)の工場に勤務する女性従業員3人からノロウイルスが検出されたと発表した。市は、従業員の手からパンにウイルスが付着した可能性が高いとみている。
市によると、3人はいずれも食パンに異物が付着していないかを1枚1枚チェックする検品作業に携わっていた。作業は手袋を着けて行われるが、市保健所は「手袋交換のタイミングが不適切だったり、手洗いが的確でなかった可能性がある」としている。3人とも集団食中毒が起きた15日前後を含めて体調不良などは訴えていないという。
また、市は同日、多数の児童が欠席した市立有玉小学校の給食室からノロウイルスが検出されたと明らかにした。集団食中毒の原因ウイルスとは遺伝子群が異なるといい、安全管理の不徹底について謝罪した。
AFP=時事】米メジャーリーグサッカー(MLS)のコミッショナーを務めるドン・ガーバー(Don Garber)氏が、来月にもサッカー元イングランド代表のデビッド・ベッカム(David Beckham)氏が率いる新チームの設立についての情報を発表する見込みと明かした。
米フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)に新スタジアムを建設する計画が地元関係者と進む中、しばらく動きがなかったベッカム氏率いるMLSに22番目に参入する新チームの話題は、明るい兆しといえるだろう。
16日にフィラデルフィア(Philadelphia)で行われたMLSドラフト会議の場で、ガーバー氏は次のように明言した。
「先週末もマイアミに行っていたし、頻繁に訪れては、(チームの)将来的なオーナー陣と新スタジアムの件で最終調整を行っているところだ」
「今は色々と調整中なので、来月の初旬には何かしらの発表ができると思う」
ベッカム氏がMLSのロサンゼルス・ギャラクシー(Los Angeles Galaxy)に移籍した際、2500万ドル(約26億円)という割引価格で新クラブ購入を可能とする条項が契約に盛り込まれていた。ベッカム氏は米無線通信企業、ブライトスター(BrightStar Communications) 社のマルセロ・クロアー(Marcelo Claure)会長や、英国人起業家のサイモン・フラー(Simon Fuller)氏ら共同出資者とともに、マイアミの市場に照準を絞っている
マイアミ市の関係者は先月、マイアミ港隣接エリアに個人出資による新スタジアムを建設する計画について、ベッカム氏との交渉を開始することに合意した。
新チーム発足日について、具体的な目処はまだ立っていない。ニューヨーク(New York)とオーランド(Orlando)にそれぞれ立ち上がった新チームは、来年にもプレーを開始する見込みとなっている。
2013年末から14年初めにかけて、中国人民解放軍は中朝国境付近で大規模な軍事演習を相次いで実施した。厳冬期の部隊の機動・実戦力を高めるためとの名目だが「朝鮮有事への対応と北朝鮮の反中勢力を牽制することが本当の狙い」(中国共産党筋)とみられる。北朝鮮は昨年末に中国と太いパイプを持つ張成沢一派を粛清したことは、中国の不信を募らせたようだ。中国の外交関係者は「中朝関係は五度目の氷河期を迎えた」と指摘した。
◇大規模な軍事演習
張成沢失脚が日韓メディアに報じられた直後の昨年12月上旬、中国軍は中朝国境近くの白頭山 (中国名・長白山)付近に約3千人の兵士を派遣し、耐寒軍事演習を実施した。北朝鮮で内戦が勃発し、武装勢力が中国に入ってくることを警戒する目的といわれた。
今年に入ってから、演習規模はさらに拡大した。韓国のメディアなどによると、中国軍は1月10日頃から、瀋陽軍区に所属する主力部隊の第16集団軍と第39集団軍の約10万人の兵力と数千台の戦車を動員し、白頭山とアムール川の間の地域で、大規模な演習に突入した。国営中央テレビ(CCTV)は11日に第39集団軍の戦車部隊が雪深く積もる原野を進軍する場面を伝えるとともに、今回の演習の目的は「長距離機動力と実戦能力の向上」と紹介した。
共産党筋は「中朝国境付近で複数の集団軍を動員する規模の演習を行うのは異例だ」と指摘したうえで、中朝国境から北朝鮮首都の平壌まで直線距離は僅か200キロあまりで、戦車部隊は5時間ほどで到達できる距離だといい「今回の戦車部隊の前進演習は、朝鮮有事への警戒よりも、北朝鮮国内の反中勢力に対する牽制だ」と述べた。
中国海軍も同じ時期、北朝鮮が面する渤海湾で10日から17日まで軍事任務があるとして、一般船舶の航海を禁止した。春節(旧正月、1月31日)の長期休暇前の最後に書き入れ時の北朝鮮の漁民と商船にとって、航海禁止は大きな痛手といえる。
◇北朝鮮の真意を読めない中国
複数の中国の外交関係者によれば、12月上旬に起きた張成沢失脚劇は中国にとって「寝耳に水」のような出来事だった。中国の北朝鮮とのパイプ役として、長年張氏周辺を重点的に頼っている。張氏の失脚にともない、北朝鮮の政権中枢で親中派、改革派といわれた中央委員、副閣僚クラス以上の幹部は20人以上が失脚し、その一部はすでに処刑されたことという情報が中国に入ってきているという。言い換えれば、北朝鮮政権内の中国の息がかかった幹部は一掃され、中国の北朝鮮に対する影響力は大きく損なわれた。
そのうえ、北朝鮮が発表した張氏の罪状のなかには、中朝貿易を否定し、中国への敵意を感じさせる部分もある。さらに、張氏失脚からすでに1カ月以上経過しているのに、北朝鮮はいまだに事情を説明する特使を中国に派遣していない。
「金正恩政権はすでに中国と対決方針をきめたのでは」といった観測が中国の対北朝鮮関係者の間で流れはじめたという。
◇五度目の氷河期
中国は北朝鮮の最大の支援国として長年北朝鮮の金政権を支えてきた。しかし、中朝関係はけっして安定状態を続けてきたわけではない。これまで4度も大きな危機があったといわれる。
北京の中朝関係史の研究者によれば、最初の危機は1952年ごろに起きた。朝鮮戦争の戦後処理をめぐる双方の対立が表明化し、中国は駐北朝鮮大使を召還した。56年、金日成首相(当時)は朝鮮労働党内で「延安派」と呼ばれる親中派を粛清したことで再び悪化。1960年代の中ソ対立で、北朝鮮はソ連と関係を重視したことでも中国の不信感を買ったこともあった。そして、中朝最大の危機は1992年に訪れた。韓国と国交を樹立した中国に対し北朝鮮が反発し、双方の首脳会談は約10年間中断した。
これまでの危機はいずれも国際情勢の変化などに伴い回復した。中国の国際関係学者は、今回の中朝関係悪化を「5度目の冬の時代」と表現する。そのうえで、「金正恩氏が北朝鮮政権で絶対的な主導権を持っていればいずれ関係修復するだろう。しかし張成沢失脚で権力バランスが崩れ、内乱が発生するようなことがあれば、中国は北朝鮮にある自国の利権を守るため、内政介入する可能性もある」と話している。
経団連は今月15日、今年の春闘に向けて経営側の指針となる「経営労働政策委員会報告」を発表しました。ここで、2008年以来、6年ぶりに「ベア」を容認する方針を示しました。
―――「ベア? テディ・ベア?」
いえ、違います。「ベア」とは、「ベースアップ」の略で、基本給の水準を底上げすることです。
―――「なるほど、最近ずっと給料が上がってなかったもんね。うちの会社なんて、1年目と5年目社員が給料変わらないもん」
定期昇給とベアの違い
それは少し違います。もしかしたら誤解があるかもしれません。
「ベア」とは、給料が上がるということではなく、「給料の水準が上がること」です。
これに対して、年次を重ねるたびに給料が上がっていくことを「定期昇給」といいます。
―――「ん? 何が違うの?」
一般的に、新入社員よりもベテラン社員の方が給料が高いですね。いわば坂道のように、だんだん上がっていくわけです。この「坂道」に沿って、給料が上がっていくことを「定期昇給」といいます。1年目より2年目の方が給料が高くなるのは、「定期昇給」の影響です。
「ベア」はこれとは違います。「ベースアップ」という言葉の通り、ベース(基準となる基本給)自体が上がります。「坂道」自体が上に持ち上がるイメージですね。
「ベア」は、給料水準自体を全体的に上げることになります。日本では、一度上げた給料を下げるのは大変ですから、事実上「将来にわたって給料を上げる」ということでもあります。
なので、企業からすると「ベア」を実施するのには勇気がいります。ベアをした分、これからずっと人件費が増えるということですからね。なので、ベアよりも、毎年調整ができるボーナスで「給料」を調整しようと企業が多いです。
労働者から見ると、毎年変わるボーナスで調整されるより、「ベース」がアップした方が安定します。なので昇給が同じだったとしても、社員にとってはボーナスでもらうより「ベア」の方が好ましいんです。
賃上げを容認する理由とは
労働組合側は、労働者の立場を代表していますので、当然「給料を上げろ! ベースアップを要求する!」と主張します。これに対し、経団連が「いやいや、そうは言っても経済環境は厳しいよね」と反論するのが、ここ数年の常でした。
ただし今年は、企業側も賃上げを容認する考えです。
―――「お、すごいね。でも、なんで??」
理由は大きく分けて2つあると思います。
ひとつは、円安・株高で企業業績が回復してきたこと。
もうひとつは、政府から「従業員の給料を上げなさい」という賃上げ要請が来ていること。
昨年から始まったアベノミクスでは、国民の給料を上げることを大きな目標の一つに考えています。そのために安倍総理自ら企業に働きかけて、賃上げをするように要請してきました。その結果が現れていると考えられます。
6年ぶりに経団連が「ベア」を容認したのは、これは政策の成果として評価をしていいと思っています。
―――「やった! これでうちの会社も基本給が上がるんだ!」
中小企業が従うとは限らない
ただ、じつはそうとは言い切れないんです。
というのは、経団連の考えはあくまでも「方針」だからです。企業の代表である経団連(日本経済団体連合会)と各労働組合の代表である連合(日本労働組合総連合会)が全体の方針について争います。そこで決まった内容を「方針」として、全国の企業が「じゃあ、うちはどうしようか」と考えるんです。だから、従う義務はありません。
―――「え!? そうなの??」
それに、経団連は、いわば「大企業のグループ」です。大企業が、大企業の事情を踏まえて判断しているケースが多いと言えます。
そのため、その大企業の方針に中小企業が従うとは限りません。というより、中小企業まで給料アップの流れが波及するとは考えづらい状況です。
日本の企業のうち、99%が中小零細企業です。また、中小零細企業で雇われている人が、全体の約7割と言われます。
経団連がベアを容認したといっても、まだ終わりではありません。国民全体が賃上げの恩恵を受けられるような政策を引き続き期待したいです。