東京電力は6日、福島第一原子力発電所の護岸にある観測用の井戸の一つで、昨年7月5日に採取した地下水から、放射性ストロンチウムが1リットル当たり500万ベクレル検出されたと発表した。
国の放出基準の16万倍以上で、地下水の過去最高値(1リットル当たり5100ベクレル)の約1000倍に上った。東電はこの約半年間、ストロンチウム単独の濃度は「測定結果が誤っている可能性がある」として公表していなかった。
東電は今回の地下水について、採取直後の昨年7月、ストロンチウムを含む様々な放射性物質の総量(全ベータ)を同90万ベクレルと発表していた。東電は6日、「高濃度の全ベータは測定上限を超え、軒並み過小評価していた」と説明。この地下水の実際の全ベータは同約1000万ベクレルとの見方を示した。最近は、高濃度の場合は薄めて分析する方法に変えているという。
インフルエンザ患者の増加が続いている。国立感染症研究所の7日の発表では、1月27日~2月2日の推計患者数は約187万人で、昨シーズンのピーク時(約214万人)に近づいた。
今シーズンは、2009年に新型として発生したH1N1型の患者が最多で、3シーズンぶりに流行しているのが特徴だ。
同研究所によると、1医療機関あたりの患者報告数は34・44人で、前週(24・81人)よりも増えた。
11年以降、H1N1型は激減し、昨シーズンは2%にとどまっていた。今シーズンは最多の40%で、A香港型(H3N2型)が36%、B型(24%)と続く。
国立感染症研究所感染症疫学センターの砂川富正室長は「H1N1型への免疫を持たない人が増えたためだろう。通常の季節性インフルエンザと同様、今後も周期的な流行を繰り返すのではないか」と推測する。
H1N1型は09年の発生当初、若年層が肺炎や呼吸困難で入院するケースも目立った。インフルエンザに詳しい、けいゆう病院小児科の菅谷憲夫医師は「健康な成人でも、放置すると急速に重症化する恐れがある。インフルエンザを疑ったら、速やかに受診して治療を受けてほしい」と話す。