新潟大医学部血液・内分泌・代謝内科の研究室は、新潟県阿賀野市と共同で中学生の血液データから早期の生活習慣病予防を目指す研究を始めた。
同市は市内の中学2年生を対象に毎年血液検査を実施しており、研究を主導する曽根博仁教授は「市町村単位で若い世代の血液データが蓄積されていること自体、全国的にも珍しい。有用な研究にしていきたい」と話している。
同市健康推進課によると、同市は2006年以降、市内の中2のほぼ全員にあたる約300人から毎年採血を行い、データを取ってきた。ただ、これまでは個人や学校ごとの健康指導にのみ利用され、詳細な分析はされてこなかった。
研究では、起床時間や食生活、テレビゲームなどに費やす時間などを聴取した生活実態調査や、身体測定の数値なども利用して複合的に分析を進める。糖尿病や高血圧といった生活習慣病は、食生活の多様化や睡眠不足などの影響で、中高生の段階から初期症状が出るケースも少なくないといい、曽根教授は「生活実態調査と合わせてデータを解析することで、発症要因を明らかにしたい」としている。
同市は研究結果を基に、学校への健康指導を充実させていく予定で、同課の折居千恵子課長は「お菓子やジュースにどれくらいの砂糖の量が入っているのか知らない子も多い。生徒たちが食事や生活習慣を見直すきっかけとして活用していきたい」と話している。
アルコール依存症からの回復を目指す人が集まる「四国断酒ブロック大会(高知)」(全日本断酒連盟主催)が20日、高知市本町の県立県民文化ホールで開かれた。
専門医が、患者や家族ら約600人に、「断酒中、少しでも飲んでしまうと、無意識に暴力など衝動的な行動をとってしまうことがある。治療を継続することが大切」と訴えた。
患者が互いに経験を語る場にと、1965年から行われており、49回目。
下司病院(高知市)の山本道也院長(58)が「アルコール依存症における社会的及び身体的問題とその対策」をテーマに約1時間、講演。「アルコール依存者は、DV(配偶者や恋人からの暴力)や飲酒運転など、周囲を巻き込むケースが多い」と話した。
アルコール依存症の特徴として、判断力の低下、衝動的な行動、社会的な孤立、めいてい状態による落ち込みをあげ、「自殺の危険性は、非依存者の約6倍にもなる」と説明した。
断酒をしている広島県の男性(65)は「もう一回、酒を飲んだら、子どもに迷惑をかけ、すべてを失う。飲まない意識が一層高まった」と話した。
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