アルコール依存症からの回復を目指す人が集まる「四国断酒ブロック大会(高知)」(全日本断酒連盟主催)が20日、高知市本町の県立県民文化ホールで開かれた。
専門医が、患者や家族ら約600人に、「断酒中、少しでも飲んでしまうと、無意識に暴力など衝動的な行動をとってしまうことがある。治療を継続することが大切」と訴えた。
患者が互いに経験を語る場にと、1965年から行われており、49回目。
下司病院(高知市)の山本道也院長(58)が「アルコール依存症における社会的及び身体的問題とその対策」をテーマに約1時間、講演。「アルコール依存者は、DV(配偶者や恋人からの暴力)や飲酒運転など、周囲を巻き込むケースが多い」と話した。
アルコール依存症の特徴として、判断力の低下、衝動的な行動、社会的な孤立、めいてい状態による落ち込みをあげ、「自殺の危険性は、非依存者の約6倍にもなる」と説明した。
断酒をしている広島県の男性(65)は「もう一回、酒を飲んだら、子どもに迷惑をかけ、すべてを失う。飲まない意識が一層高まった」と話した。