アメリカ海軍は、2014年12月12日、ロサンゼルス近海の沿岸警備隊のカッター(巡視船)USCGバーソルフ(WMSL-750)船上で、MQ-8Bファイアスカウトの実証試験を完了しました。
MQ-8Bは海軍が開発中の情報収集・監視・偵察(ISR)用の無人航空システム(UAS)で、これまで海軍のフリゲート艦や駆逐艦、沿岸戦闘艦での運用が試験され、地中海やアフガニスタン、アフリカで実際に使用されていますが、沿岸警備隊のカッターで試験するのは初めてです。今回初めて洋上レーダーと、移動地上局(GCS)とのインテグレーションが試験されました。
バーソルフは排水量4,300トンの新しい大型カッターで、紛争地域での運用を想定した戦闘艦に近い性格の船です。HH-65(AS365)ドルフィン・ヘリコプター2機を搭載可能ですが、今回の試験の成功によりUASの運用も可能であることが実証されました。
ノースロップ・グラマンは、2014年12月12日、APG-83 SABR(Scalable Agile Beam Radar)の試作機(EMD : Engineering, Manufacturing and Development)を、初めてロッキード・マーティンに納品しました。
APG-83 SABRは、アメリカと台湾空軍のF-16アップグレード計画に選定されたレーダー・火器管制システムです。契約から16カ月以内に、すべての部分を検証し、量産型と同じ機能のEMD機を納入しました。
APG-83 SABRは、多機能のアクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーで、手頃な価格と高い信頼性でF-16に第5世代の空対空・空対地戦闘能力を提供します。ノースロップ・グラマンは、1996年にウェスティングハウス・エレクトリックの軍需部門を買収し、F-22A用のAN/APG-77 AESAレーダーや、F-35用のAN/APG-81 AESAレーダーを開発・生産しています。
ユナイテッド・ローンチ・アライアンスは、2014年12月12日、アメリカ国家偵察局のペイロードを搭載したアトラスVロケットを、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地(AFB)から打ち上げました。
今回のロケットは同基地で打ち上げた最強力のアトラスVロケットで、1基あたり推力25万ポンドの固体ロケット・ブースター4基とメインエンジンで、合計推力は200万ポンド(約907トン)に達します。また、新設計の第2段ロケット・エンジンを使用するのも初めてでした。
アトラスVロケットは、日本のH-IIA/Bロケットとほぼ同規模のロケットです。また、H-IIA/Bの打ち上げを三菱重工が行うのと同様に、アトラスVもロッキード・マーティンとボーイングが出資するユナイテッド・ローンチ・アライアンスが打ち上げします。