農林水産省と熊本県は13日、同県多良木町の養鶏場で鶏が大量に死んでいるのが見つかり、県の遺伝子検査の結果、高病原性鳥インフルエンザ(H5型)が発生したと発表した。
県は、この養鶏場の5万6000羽と、経営者が同じ同県相良村の養鶏場の5万6000羽の計11万2000羽の殺処分を始めた。また、両養鶏場から半径3キロ以内を鶏や卵の移動を禁じる移動制限区域とした。
国の動物衛生研究所で確定検査を急いでいる。農水省によると、確定すれば、養鶏場での感染確認は2011年3月の千葉市以来、熊本県内の養鶏場では初めて。
県によると、多良木町の養鶏場では11日に70羽、12日に200羽が死んだ。12日に簡易検査を行ったところ、10羽のうち6羽が陽性で、遺伝子検査の結果、H5型であることを確認した。県は蒲島郁夫知事を本部長とする防疫対策本部を設置した。
両養鶏場から半径3キロ以内の移動制限区域では、5戸が計約4万3000羽の鶏を飼育。半径3~10キロ内(42戸計約39万8000羽)についても、区域外への持ち出しを制限する搬出制限区域とした。
農水省によると、国内では鶏肉や卵を食べて鳥インフルエンザがヒトに感染した事例の報告はないという。