県「ワクチン接種を」
全国的に患者が急増しているはしか(麻疹)について、和歌山県内でも今年に入ってから3年5か月ぶりに感染が報告され、患者数は幼児を中心に12人(10日現在)に上ることが、県のまとめでわかった。今後、流行する恐れもあり、県は注意を呼びかけている。
県健康推進課によると、県内では3月21日から今月9日までに、医療機関から和歌山市保健所に11人、岩出保健所に1人の感染が報告された。うち2人は予防接種を受けておらず、年齢層別でみると、2~5歳が8人と多かった。
県内の年間患者数は2008年の40人をピークに減っており、10年10月末以降は、確認されていなかった。
国立感染症研究所のまとめによると、全国で今年になって確認された患者数は3月30日までに231人。既に昨年1年間の水準に達している。
県などによると、はしかウイルスは空気感染し、感染力が強い。免疫のない人が感染すると、高熱や発疹の症状が出る。肺炎などの合併症が起きることもあり、1000人に1人の割合で脳炎が発症するという。
有効な予防方法は幼児期のワクチン接種で、同課の担当者は「自治体などから案内があれば、必ず子どもに受けさせてほしい」と呼びかけている。