被災地の子供たちの体力・学力の低下や生活習慣の乱れを防ぐプロジェクトが宮城県女川町で始動することになった。復興庁、同町、宮城教育大学が共同で、町の将来を担う子供たちの健全育成を図る。
県内では校舎が被災し、学校の統廃合が進んだ。そのため、児童・生徒がスクールバスで通うようになった上、校庭に仮設住宅が建ったことなどから、震災後、子供たちの体力の低下が問題になっている。また、仮設住宅で暮らすようになり、親の生活に引きずられて夜型になりがちで、生活習慣の乱れも指摘されていた。
そこで、プロジェクトでは、空き地を活用するなどして、公園よりも自由度が高い「遊び場」を今年中に作り、体力の向上を図る。地域住民の指導を受けながら、集団で遊ぶ鬼ごっこを週2回以上開催することも想定している。
さらに、「早寝・早起き・朝ごはん」の習慣を身につけさせるためのPR活動を行うと共に、親の意識改革も行う。また、今後英語の授業が始まる予定の小学3年生までに日本の歴史や文化などの教養を習得させるため、論語など古典の素読を取り入れるという。
プロジェクトでは、こうした活動を通して、被災地の教育の復興を担っていく方針だ。
20日は、プロジェクトの初会合が開かれ、メンバーの陰山英男・立命館大教授は「被災地への支援が一段落する震災3年の今が踏ん張りどころ。町全体で教育や子育てに取り組んで学力・体力の向上を図ることができれば、町の活性化にもつながる」と力説した。
須田善明・女川町長は「学校を町の中央部に作ったり、今後入居していく公営住宅のコミュニティーづくりを先行して行ったりと、行政サイドでも取り組んでいきたい」とした。
はだしバランスボード 遊び機能が付いた楽しみながら平衡感覚や筋力を向上させることが出来るグッドデザインアワード受賞商品