神奈川県相模原市観光協会は28日、同市南区相模大野の直営アンテナショップ「sagamix」で販売した菓子の原材料について、食品衛生法で表示が義務づけられているアレルギー物質「乳」を表示していなかったと発表した。
別の菓子の着色料でも、表示に不備があった。同店は両商品の販売を中止、業者は自主回収している。健康被害の情報は寄せられていないという。
同店では昨年6月、「小麦不使用」をうたって販売した米粉製のピザで一部に小麦が使われ、当時4歳の男児にアレルギー症状が出た問題があった。阿部健・同協会事務局長は28日、「チェックが甘かった。二度とミスを繰り返さないようにしたい」と陳謝した。
今回、乳が含まれていたのは同市緑区の業者が製造した洋菓子「カントゥッチ チョコ」で、昨年9月21日~今月13日に52個を売った。着色料の表示が不備だったのは、同市南区の業者が製造した「おもちゃクッキー」で3月12日~今月9日に25個を販売。「赤色102号」など五つの着色料を表示すべきところ、「色素」としていた。
観光協会によると、16日に女性客の指摘で発覚し、同日から販売を中止。保健所は両業者に適切に表示するよう指導した。アレルギー患者らで作るNPO法人「相模原アレルギーの会」の北島芳枝代表は「患者にとって表示は命綱。製造業者はもとより、販売業者もアレルギーへの理解を深めてほしい」と話した。