愛知県西尾市は7日、旧一色町が同市との合併前、町内の産業廃棄物処分場跡地で土壌検査を実施した三重県桑名市の産業廃棄物業者と、検査結果について外部に秘密とする契約を結んでいたと発表した。
産廃業者は昨年7月、新たな産業廃棄物最終処分場をこの土地に建設する計画を市に提案しているが、市は県と連携し、独自の地質調査を実施する方針だ。
発表によると、この土地は1980年代~2000年代に処分場として使われたが、県が当時の業者の事業許可を取り消し、放置されていた。桑名市の産廃業者がこの土地を含めて買収を進め、旧一色町が西尾市と合併する直前の2011年3月、業者が検査を実施。業者の提出資料では、14か所で調査を行い、鉛はサンプル全体の4割近くで埋め立て基準を超えたとしているほか、ヒ素、六価クロムや、埋め立てが禁止されているトルエンなども検出したとされる。
秘密保持の契約は合併前日の同月31日に結ばれたが、市は今年2月まで知らなかったとし、榊原康正市長は「突然知らされて困惑した」と述べた。
一方、当時の一色町長の都築譲氏は「合併直前の時期に契約した記憶はない」と語った。産廃業者は「周辺に風評被害が出ないように秘密としたもので、新たな処分場計画は当時はまだなかった」と話している。
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