議会が「上から目線」批判
東京電力福島第一原発事故による健康不安を解消するために、全福島県民約200万人を対象に実施している「県民健康管理調査」の名称について、県は新年度から「管理」という言葉を外し、「県民健康調査」に改める。
現名称に「上からの目線だ」との批判が県議会で出たためだ。
調査を所管する県民健康管理課の佐々恵一課長は「『健康管理』という言葉もある」としながらも「違和感があるとの指摘があるのに意地を張って『管理』を使う必要はないと判断した」と説明している。
県民健康管理調査の名称は、調査方法を決定して結果を分析している有識者の検討委員会が初会合を開いた2011年5月から、県が使ってきた。調査の名称変更に伴い、県民健康管理課も「県民健康調査課」に改める。
調査の名称を巡っては、昨年10月の県議会一般質問で「管理という言葉に、上から見られているような、実験台とされているような印象を持つ方が多い」と、鈴木智県議(自民)が指摘。「県民の目線に立って名称を再考し、せめて『管理』を言い換えることはできないか」と求めた。これに対し、保健福祉部の菅野裕之部長は「見直しを検討していく」と答弁していた。
県民健康管理調査では、原発事故後の外部被曝(ひばく)線量を推計する調査を行っているほか、原発事故発生時に18歳以下だった県民約37万人に甲状腺検査を実施している。