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【ビジネスアイコラム】「ポチ」ではなく「番犬」が必要だ (1/2ページ)

先月に初来日した米著名投資家、ウォーレン・バフェット氏は、これまで日本株に興味を示してこなかった。その一因は、日本企業のコーポレート・ガバナンス(企業統治)にあるかもしれない。

 というのも、バフェット氏が掲げる「社外取締役と一般株主の利害一致」という基準、いわゆるバフェット基準を満たす日本企業があまり存在しないからだ。バフェット基準では、社外取締役は一般株主の代理人として経営陣を監視するよう求められる。いわば「番犬」の役割を担うのだ。

 バフェット氏来日中、オリンパスの損失隠し問題が世界的に注目を集め、日本企業のガバナンス欠如が改めて議論されていた。オリンパスも、バフェット基準から大きく外れていたことはいうまでもない。

 オリンパスの「番犬」は、15人の取締役のうち社外出身の3人だ。だが、2011年3月期を見ると、3人のうち2人はオリンパス株を1株も保有せず、1人は700株保有しているにすぎない。

 それでありながら、社外取締役3人と社外監査役2人は合計で6600万円、1人当たり1320万円の報酬を得ている。平均的サラリーマン家庭の倍以上も稼いでいるわけだ。

 つまり、社外取締役2人はオリンパスが経営破綻し、持ち株が紙くず化してもまったく痛みを感じない。700株保有する社外取締役についても報酬水準と比べればオリンパス株の下落は無視できるほどだ。これだと社外取締役は一般株主の「番犬」というよりも経営者の「ポチ」になりかねない。「経営陣に気に入ってもらい、毎年1320万円をもらう」が何よりも重要になるからだ。

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