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PM2.5、福島県初の注意喚起…学校でマスク配布

外遊び控え、下校時マスク
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福島市中心部もぼんやりとかすんでいた(26日午後3時41分)

 大気汚染の原因になる微小粒子状物質(PM2.5)の濃度が上がり、国の暫定指針を超える可能性があるとして、福島県は26日午前8時、外出の自粛やマスクの着用などを呼び掛ける注意喚起情報を出した。

 環境省が暫定指針を定めた昨年2月以降、県内で注意喚起が出されたのは初めて。学校では、子供たちに外遊びを控えるよう指導したり、下校時にマスクを配布したりするなど対応に当たった。

 国の暫定指針は、1日の平均濃度が1立方メートル当たり70マイクロ・グラム(マイクロは100万分の1)。午前5~7時の平均値が同85マイクロ・グラム、午前5時~正午で同80マイクロ・グラムのどちらかを超え、指針の値を上回ると予測される場合、注意喚起情報を出すことになっている。

 県水・大気環境課によると、県内9か所の観測地点のうち、会津若松市で26日午前5~7時の平均濃度が同85マイクロ・グラムを超え、注意喚起の対象となった。同じ時間帯ではこのほか、福島市で同69マイクロ・グラム、郡山市で同73マイクロ・グラム、いわき市(小名浜)で同53マイクロ・グラムなどとなった。2012年度の県全体での平均値は同12マイクロ・グラムだった。

 同課は「すぐに健康に影響が出る値ではないが、ぜんそくなど呼吸器系の持病を持っている方や、お年寄り、子供は念のため注意してほしい」としている。

 県の注意喚起を受け、各市町村の教育委員会は、子供たちに注意を促すよう、公立小中学校や幼稚園に文書などで通知した。

 福島市渡利の市立渡利小学校ではこの日、校内放送で外遊びを控えるよう指導したほか、下校時には全児童にマスクを配布して着用させた。保護者にも一斉メールで注意を呼びかけた。中村利幸校長は「今後もこういう事態は起こる可能性がある。保護者と連携して子供の健康を守っていきたい」と話した。

 東日本でも濃度が高まった理由について、国立環境研究所(茨城県つくば市)の菅田誠治主任研究員は「大陸から東日本に向かう風向きだったのに加え、日本では全国的に高気圧に覆われて風が弱まり、流れ込んだPM2・5がとどまりやすい条件だった」と説明する。27日は風が南よりになるため、濃度は低くなると予想されるという。

 PM2.5は、黄砂やスギ花粉よりも小さい直径2・5マイクロ・メートル以下の物質の総称。肺の奥まで入り込みやすいため、ぜんそくや気管支炎などの原因になったり、症状が悪化したりするとされる。西よりの風が強まる冬から春にかけて中国大陸から飛来しやすい。

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