東京都練馬区は25日、同区保健所で結核検査を受けた区民への結果について、「陽性」だったにもかかわらず、誤って「陰性」と通知していたと発表した。
この区民は陰性と信じて服薬を受けず、昨年11月に結核を発症してしまった。同区は感染拡大はないとしているが、今回の誤通知を受け、関係する職員4人を懲戒処分にした。
同区保健所によると、この区民は昨年5月に結核検査を受診。実際には陽性だったのに陰性と通知された。結核は感染から発症まで半年以上と潜伏期間が長く、発症前に治療薬を服薬すれば発症を防げるが、区民は服薬できなかった。
昨年11月、せき、発熱などの症状を訴えて入院、医療機関で結核と診断を受けたため、同区保健所に連絡。今回の誤通知が判明した。
同区保健所では、家族や同僚、接触があった友人などに検診を実施し、今年3月までに全員の陰性が確認できたという。区はこの区民に対し医療費の負担や休業補償を行うという。同区保健所では「区民の健康に関わる重大な事故。拡大感染がないか確認できるまで公表を控えてきたが、今後このようなことがないようにする」としている。
区は3月18日付で、通知事務などを担当していた職員3人を減給10分の1(1か月)とし、保健所の元所長の女性(62)の監督責任を問い、戒告処分とした。