四国大(徳島市応神町古川)はスマートフォン用の無料通話アプリ「LINE(ライン)」を使って、妊娠中の女性向けの食事栄養診断サービス「母子健康増進プログラム」を始めた。
利用者は一日の食事内容を写真に撮り、月に数回、LINEにアップ。同大学の教員らが一人ひとりに適した栄養アドバイスをする。同大学生活科学部の吉村幸雄教授(栄養疫学)は「生まれてくる子どものためにも、バランスのとれた食事は欠かせない。気軽に利用してほしい」と話している。
出産を控える女性は、適切な体重管理と栄養摂取が必要。やせ過ぎの場合は体重が2500グラム未満の「低出生体重児」の出産につながる恐れがあり、体重が増え過ぎると血糖値などに影響が出るほか、難産となるリスクも高まる。
そこで、吉村教授らは「栄養診断や管理のノウハウを還元できないか」と、約3年前から準備を開始。これまでも妊婦が食事記録を付けたり、アンケートなどで食事調査をしたりする方法はあったが、「手間がかかる」「面倒」などと長続きしない人が目立ったため、若年層を中心に普及しているLINEを活用することにした。
利用者は月に1~4回、食事内容を写真に撮り、LINEにアップ。数日後、教員らのコメント付きで診断結果を受け取ることができる。診断はエネルギーや鉄分など計15項目で実施し、不足している栄養素を指摘。「豆腐にはカルシウムが多いので、豆腐グラタンがおすすめ」などのアドバイスやレシピの紹介もする。
登録は同大学のホームページにあるQRコードを読み取って「友だち」に追加し、出産予定日などを入力する。