福島第一原発事故による避難者の帰還に向けて、東京電力は、従来の100倍の精度で測定できる個人用の放射線量計=写真=を開発した。
大量のデータを蓄積し、行動記録と照らし合わせれば、どんな状況で被曝(ひばく)線量が増減するのか確認できるようになる。
この線量計は、0・001マイクロ・シーベルト単位まで微量の測定が可能だ。避難生活を送る住民が比較的線量の低い地域に一時帰宅した場合でも、より正確に被曝線量を計ることができる。
1分ごとの被曝線量を最大9000件まで記録するため、1日の行動や日常生活に伴う被曝線量の変化を細かく調べられる。例えば、一時帰宅中に屋外でごみを片づけたり、室内を掃除したりした時間をメモしておけば、線量計のデータと照らし合わせて、具体的な場所や行動の被曝線量がわかる。
開発は富士電機(東京都品川区)と共同で行った。昨夏から東電社員が試作品をつけて、県内で「事務労働者」「主婦」「小学生」など約20の生活パターンを想定して試験を重ねており、すでに約40台を製造。今後は、地元自治体と協議して住民への貸し出し方法などを検討する。
東電福島復興本社(楢葉町)の石崎芳行代表は「一時帰宅などの際に被曝線量の低減に役立てて、少しでも安心につなげていただきたい」と話している。
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