岐阜県内5大学4200人調査 学生支援参考に
岐阜県内の大学に通う学生を対象に、ストレスにどれくらい耐えられるかを調べるアンケートを実施したところ、相談できる友達が周りにいない大学生ほどストレスに弱いという調査結果がまとまった。
分析した岐阜大の西尾彰泰(あきひろ)准教授(精神医学)は「友人関係は、学生生活を過ごす上で重要であることがデータで裏付けられた」と分析している。
調査は、「県大学保健管理研究会」に参加している岐阜、岐阜薬科、岐阜聖徳学園、岐阜医療科学、中部学院の5大学の学生約6000人を対象に2013年4~6月に行い、約4200人から有効回答を得た。日常生活や将来の不安など13項目の質問で、「ストレスへの耐久力」などを数値化し、学生生活に関する調査結果と合わせて、どんな学生がストレスに強いかなどについて分析した。
その結果、「相談できる友人がいない」と答えた学生は、「いる」と答えた学生に比べてストレスに弱い傾向が浮かび上がった。異性の友人がいる学生も、いないと回答した学生よりストレスに強かった。
西尾准教授によると、多くの大学では、入学時に類似のアンケート調査を実施し、精神的に不安のある可能性が高い学生を個別に呼び出し、診断している。しかし、対象が多かったり、学生が呼び出しに応じなかったりして、有効な対策がとれないことがあった。今回の調査データを蓄積していけば、病気にかかる学生を見つけ出す精度を上げることが期待できるという。
調査結果ではほかに、酒やたばこを好む学生の方がストレスに弱いこともわかった。また所属する学部によっても差があり、医学系の学生は比較的ストレスに強かった。
西尾准教授は「原因がわからないまま精神疾患にかかり、休学や退学に追い込まれる学生もいる。ストレスに強い学生の特徴をデータから見つけ出すことで、充実した学生生活が送れるよう支援したい」と話している。(宮地語)
今回のアンケートで調査した主な質問内容は次の通り。
【ストレス耐性に関する項目】
〈1〉自分の周りで起こっていることがどうでもいい、という気持ちになることがあるか。
〈2〉不当な扱いを受けているという気持ちになることがあるか。
〈3〉不慣れな状況の中にいると感じ、どうすればよいのかわからないと感じることはあるか。
〈4〉日常生活で行っていることにほとんど意味がない、と感じることはあるか。
質問ごとに、〈1〉であれば「1.まったくない」~「7.とてもよくある」まで1~7の数字を選び、回答してもらう。
【学生生活に関する項目】
〈1〉悩みごとを相談できるような親しい友人がいるか。
〈2〉中学高校で部活動やサークル活動をしていたか。
〈3〉アルバイトの経験はあるか。
〈4〉ソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用しているか。
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