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少花粉ヒノキ 増産へさし木技術開発

全国初3年後の普及目指す
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根が付いた少花粉ヒノキの5センチの小枝を手にする茂木さん

 岐阜県森林研究所(美濃市)は、これまで不可能とされていたヒノキの小枝を効率良くさし木にする研究開発に全国で初めて成功したと発表した。

 花粉がほとんど発生しないヒノキの増産に向けて開発された。研究所では「花粉症対策に役立つ成果」として3年後の普及を目指している。

 研究開発で成功したのは、一般的なヒノキに比べて花粉量が1%以下の少花粉ヒノキ「益田5号」。約50年前に下呂市で採取され、郡上市の施設で育成されている。

 研究所は、2010年度から一般的なヒノキに比べて花粉量が1%以下の少花粉ヒノキをさし木で増やす研究を始めた。15センチの小枝については、根を生やす割合「発根率」を100%にできる技術を確立した。事業化するには、多く採取できるが、従来の方法ではほとんど根付かなかった5センチの小枝の発根率を高めることが課題となっていた。

 研究に携わった森林研究所森林資源部主任専門研究員の茂木靖和さん(51)が増殖力が高まる組織培養の技術に着目。採取した小枝をすぐに栄養分を与えて発根させるのではなく、培養して枝を大きくしてから発根処理する方法を考え出した。

 15センチの小枝を2年間かけて40センチの枝に成長させた後に、15センチの小枝2本と5センチの小枝12本に分けて採取。3か月間、発根処理した結果、15センチの小枝はすべて根が生えた。5センチの小枝も10本に根がつき発根率を83%とし、事業ベースとして必要とされていた71%を初めて上回った。

 茂木さんは「培養期間の短縮や簡単に生産できるように改良を続けたい」と話している。研究成果は、花粉症対策のヒノキを増やす共同研究をしている独立行政法人森林総合研究所林木育種センターなどとともに「さし木マニュアル」として紹介する。

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