富士重工が防衛省に対しAH-64Dアパッチの初度費の支払いを求める訴訟の控訴審判決が、2015年1月29日、東京高等裁判所で言い渡され、国に対して約350億円の支払いを命じました。
この裁判は、防衛省が当初62機のAH-64Dを導入する計画を立て、ライセンス料や治具など生産に必要な経費(初度費)を分割して機体単価に上乗せして富士重工に支払う約束でしたが、防衛省が2008年に13機で調達打ち切りを決め、残りの初度費の支払いを拒んだため富士重工が訴えたものです。
2014年2月の東京地裁判決では富士重工の訴えを退けましたが、今回の2審判決では富士重工が求める全額を国に支払うよう命じました。
自衛隊が装備する兵器の生産に関する初度費の扱いについては、これまでメーカーが一旦負担して、兵器の単価に上乗せして支払う方法が慣習化していました。今回のように計画が変更になった場合、メーカーが損害を被るほか初度費と単価が不明確になるため、2008年度から初度費を分けて計上して支払うようになりました。
防衛省は最高裁へ上告するか、判決内容を検討するとのことです。