東京都の猪瀬直樹前知事(67)=辞職=が医療法人「徳洲会」から5000万円を受領した問題で、東京地検特捜部は7日、市民団体が提出していた猪瀬氏に対する公選法違反容疑などの告発状を受理した。今後、関係者への聴取を行うほか、資料を押収して分析を進めるなど捜査を本格化させる。
告発状によると、猪瀬氏は2012年11月、徳田毅衆院議員(42)を通じて徳田虎雄前理事長(75)から選挙資金として5000万円を受け取ったのに、出納責任者に伝えず、都知事選の収支報告書に記載しなかった同法違反の疑いがある。また、一個人から受け取れる寄付金の上限を150万円と定めた政治資金規正法にも違反するとしている。
特捜部はこれまで、都政への影響を考慮し、都議会による責任追及を見守るにとどめていた。
告発した市民団体「政治資金オンブズマン」(大阪市)の上脇博之神戸学院大教授は「(猪瀬氏は)説明を二転三転させており、このままでは真相がうやむやになる」と話している。