オリンパスの巨額損失隠し問題を受けて、自見庄三郎金融担当相は16日の閣議後の記者会見で、東京証券取引所などとも連携し、企業買収時の情報開示の強化など再発防止策を検討する方針を表明した。オリンパスの第三者委員会が監査法人の経営チェックが不十分だったことなどを指摘したことも踏まえ、監査体制も厳格化する。金融庁が企業の情報開示強化を図るため内閣府令などの改正を検討するほか、東証の上場企業に関わる規則の見直しや、日本公認会計士協会の監査指針改正も促す考えだ。
自見金融相は「資本市場の信頼回復が重要だ」と強調。その上で「関係者が連携し適切な再発防止策を講ずる必要がある」と述べた。
オリンパスが巨額損失の飛ばしに企業買収を利用していたことを受けて、M&A(企業の合併・買収)に関わる情報開示ルールを見直す。上場企業などには従来、内閣府令や東証の適時開示規則で臨時報告書に増資などの情報開示を義務づけられているが、新たに企業の買収先や、合併・買収の仲介者への手数料の記載を義務づけることも検討する。
金融庁は、オリンパスが元証券会社社員から損失隠しの指南を受けていたことや、監査法人によるチェックが十分に機能しなかったことも問題視。外部協力者による粉飾決算への関与を防止したり、監査基準の厳格化なども検討する。【田所柳子】
毎日新聞 2011年12月16日 21時04分