島根県は21日、竹島を日本領と示した江戸時代後期の地図5点を確認したと発表した。そのうち「蝦夷風俗人情之沙汰付図(えぞふうぞくにんじょうのさたふず)全図」(1790年)と「蝦夷草紙(えぞそうし)全図」(同)の2点は、江戸幕府が関与。県は、幕府の要職も竹島を日本領と認識していたことを裏付けるものとみている。
島根県によると、この2点は同じ内容で、幕府の蝦夷地調査隊で測量助手を務めた最上徳内がまとめた。経世家の本多利明が序文を書いたうえで、幕府老中の松平定信に献呈されたといい、紀州徳川家の蔵書印がある。日本領が赤茶色に彩色され、隠岐諸島の上方にある現在の竹島も同色だ。
島根県は昨年8月、竹島を初めて記したとみられる1760年代の地図を確認したが、地理学者の作だった。今回は幕府の要職がお墨付きを与えた地図で、島根県竹島問題研究会座長の下條正男・拓殖大学教授(日本史)は「日本が国家として竹島を日本領と認識していた証しで、大きな意義がある」と話している。
長野県建設業厚生年金基金(長野市)で約24億円の使途不明金が生じた横領事件で、このうち計約1億9400万円を着服したとして業務上横領罪に問われている元事務長、坂本芳信被告(56)の初公判が21日、長野地裁(伊東顕裁判官)であった。坂本被告は「(起訴内容に間違いは)ございません」と起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、「遊興費に充てるために着服しようと考えた」と指摘。横領した現金は、ブランド品の購入▽自身が関与したクラブの運転資金▽交際女性に提供▽東京のクラブでの飲食費▽海外旅行--に使ったとした。タイには2010年9月10日に逃亡したという。
検察側は、坂本被告が24億円の着服を認めた供述調書を証拠として提出した。坂本被告は、うつむき加減で冒頭陳述を聞いていた。
起訴状によると、坂本被告は基金の事務長兼出納員として預金管理や運用委託先への送金などを担当。10年7月、基金の銀行口座から約1億3000万円を引き出し、うち約6400万円を着服。同年5、6月にも同じ口座から2回にわたり計約2億6600万円を引き出し、うち計約1億3000万円を着服したとされる。
坂本被告は昨年11月、逃亡先のタイの首都バンコクで地元入管当局に不法滞在容疑で逮捕された。身柄引き渡しを受けた長野県警はこれまで、業務上横領容疑で計3回逮捕するなど捜査を続けている。
タレントのデヴィ・スカルノさん(デヴィ夫人)が、TBSのバラエティー番組の収録中に一般の女性出演者(33)を平手打ちしたとして、トラブルになっていることが警視庁への取材でわかった。女性は被害届を提出し、同庁は暴行容疑で捜査している。
警視庁によると、デヴィさんは1月9日、「奥様はモンスター2」(15日放送)の収録に参加。「奥様は女王様」というコーナーに出演した女性が「デヴィ夫人も男性を虐げている」などと挑発的な発言を繰り返したことに怒り、女性の顔を3回平手打ちした疑いがもたれている。スタッフが止めに入ると、デヴィさんはスタジオを出て行った。
女性は番組スタッフから事前に「嫌な女性を演じて番組を盛り上げて」と言われていたため、アドリブでデヴィさんに絡んで挑発したという。放送ではこのコーナーはカットされた。
TBS広報部は「当事者間で起きた事案なのでコメントは控えたい。外部制作の番組のため、どういう演出があったのかわからない」と説明。デヴィさんの所属事務所は取材に「本人が海外に行っているので確認できない」と話した。