「ネット依存」でかけがえのない時間を失わないで――。スマートフォン(スマホ)の急速な普及で深刻化する中高生のネット依存への対応が急務だとして、都青少年問題協議会が24日、緊急メッセージを発表した。
生活習慣の崩壊や高額課金、さらには犯罪、家庭内暴力にも発展しかねないだけに、呼びかけでは、親と子のそれぞれに学校や家庭での「ルール作り」の重要性を強調したものとなった。これを受けて都は、早急に予防対策の実施に乗り出す。
この日公表された緊急メッセージは、「中高生への呼びかけ」「保護者への呼びかけ」「都に対する提言」の3本立て。
中高生に向けては、スマホなどが便利な機器である一方、多大なマイナス面があることを強調。過度な使用が「成績低下」「友人関係の悪化」「ひきこもり」などにつながると影響を明記した。これをふまえ、生徒会やクラス会、さらには保護者とよく話し合い、SNSの使い方や使用時間の限度など「ルール作り」を進めるよう呼びかけた。
親へのメッセージは、情報化社会において必要な「生きる力」をつけさせるのは「一義的には家庭」だとし、親子で話し合ってルールを決め、「守れなかった場合のルール」(メタルール)を決めて、子供に守らせるよう求めた。
有識者により、1年かけて議論された協議会では、様々なネット依存の事例が報告された。中高一貫校に通う中学3年の男子生徒は、オンラインゲームにのめり込んで勉強しなくなり、高校に進めなかったばかりか、注意した母親に暴力をふるった。また、ある女子学生はスマホが手放せず、3日間眠らなかった。都内のあるクリニックでも、ネット依存による受診者はこの5年で3倍近くに急増しているという。
都に対しても、学校現場へのアンケート調査など実態把握を早急に進めることや、ルール作りの支援や啓発活動の推進を求めた。
この日の協議会の冒頭、秋山俊行副知事が「ネット依存の問題が、深刻化するおそれがある。拡大を食い止める取り組みが急務だ」とあいさつ。提言を受けた都の担当者も「具体的な対策を早急に検討したい」と話している。
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