萌えキャラというと、どちらかというと男性向けという印象をもたれる方は多いはず。実際、萌えキャラにハマる男性は意外と多いもの。しかも、ハマるのは、交際経験が全くない人から、現実にラブラブな恋人がいる人まで実に様々です。なぜ、男性は萌えキャラにハマるのでしょうか。私、四条さやかが心理的に分析していきたいと思います。
男性はなぜ、萌えキャラにハマるのか
ここで念のため確認ですが、萌えキャラとは、「萌え」を感じる要素をもとに作られたキャラクターのこと。「ドジっ娘」とか「ツンデレ」、「天然」など萌える要素が入っているのですから、男性、女性ともに萌えキャラに夢中になる人は同じようにいそうなもの。でも、世間のイメージでは、まだまだ萌えキャラと言えば、男性向けという印象が強いようです。それは萌えキャラにハマる男性のハマり方が女性よりも強く、目立つからだと考えられます。では、なぜ男性のほうが女性よりも萌えキャラにハマりすいのでしょうか。
1.そもそも男性は凝り性でハマりやすい
まず最初に、そもそも男性のほうが、ひとつのことに熱中しやすい傾向があるということが挙げられます。いろいろなことに興味を持ち、あれもこれも同時並行で楽しもうとする女性に対して、男性のほうが職人気質というか、ひとつのことにのめりこみやすいタイプが多いようです。
もちろん、男性、女性と言っても人それぞれではありますが、気に入ったものを突き詰めようとするのはやっぱり男性に多い傾向が。そのため、男性のほうが、周りの目を気にせずに気に入った萌えキャラに熱中しやすくなり、萌えキャラにハマりやすい印象になっていると考えられます。
2.理想の相手を探すのが楽
また、理想の擬似恋愛相手、お気に入りの人物を探しやすいというのも、萌えキャラに男性がハマる原因となっていると考えられます。
なにしろ、萌えキャラは、もともと男女それぞれが萌えを感じやすい要素を詰め込まれたキャラクター。男女それぞれでハマる人が出るのは当然です。
また、例えばツンデレが好きだと言っても、実際にツンデレの人を探すのは大変なこと。特に、男性は女性よりも表情や気持ちの変化に鈍感とされているため、実際に異性を観察し、その表情の機微や態度から理想の相手を探すのは、女性よりも難しいケースも多いでしょう。しかし、性格もデフォルメしてある萌えキャラなら、個性をつかみやすく、すぐに理想のキャラを見つけることができます。そのため、男性はつい萌えキャラにハマりやすくなると考えられます。
3.実際の恋愛の面倒臭さがない
萌えキャラにハマる理由と聞くと、生身の人間関係が苦手な人にとっても、擬似恋愛をしやすいからではないか、という理由が頭に浮かぶ人もいるかもしれません。確かに、その一面はあるでしょう。
生身の恋愛は面倒くさいというと、現実を拒否しているイメージを受けるかもしれませんが、実際問題として、人間対人間の付き合いはいろいろと面倒なことがつきものです。理想の相手を見つけ、その人と付き合えるようになるまで様々な労力が必要ですし、うまく付き合えたとしても、結婚や子供の問題など現実を見据えて行動しなくてはいけません。
しかも、別れることになれば、お互いに傷つきあうことは必須。でも、萌えキャラなら、そんな心配はしなくていいうえに、相手のかわいさや魅力を楽しむことができます。複数のキャラにハマっても、「浮気したでしょ!」なんて怒られることもありません。
4.他の男性のものにならない
どんなにすてきな女性がいても、現実の女性の場合、他の男性の恋人、奥さんになってしまうことがあります。……というよりも、そのケースのほうが多いかもしれません。
もちろん、萌えキャラも作中で他の男性の恋人になってしまったり、異性と恋に落ちたりすることはあるでしょう。しかし、結局はその男性も架空の人物。実際の誰かのものになってしまうわけではありません。また、その男性に自分を重ね合わせて、恋人の気持ちを味わう方法もあります。
結婚、出産などで人生が大きく変わることが多い女性は、恋愛に対してある意味、とても現実的。それに対して、男性のほうが恋愛に対してロマンティストだったり、ピュアだったりすることも多いもの。好きな人には自分だけを好きでいてほしい、と考える男性にとって「永遠に他の男性のものにならない理想の女性」というのは、とても魅力的だと考えられます。
5.自分好みに変えていける
性格や経歴がしっかりと決められているキャラクターに対して、「自分好みに変えられる」という表現は、おかしいと思われた方もいるかもしれません。
確かに、性格や設定、プロフィールなどがしっかり決められている萌えキャラも多いもの。しかし、架空のキャラクターである以上、描かれていることがすべて。逆に言うと、描かれている以外の生活や描かれていないことは、すべて勝手に補い、想像しても問題がないのです。そのため、例えば、実は料理が意外とうまいんじゃないかとか、自信満々に見えても胸が小さいことを気にしているのではないかなど、キャラクターをさらに自分好みにカスタマイズして想像することができるのです。しかも、わかりやすくキャラクターが作られているため、どんな人でもいろいろと想像しやすい利点もあります。
現実の女性は、想像と違う面を持っていることも多いですし、会っている以外の時間に何をやっているか想像しがたいことも多いでしょう。しかし、萌えキャラの場合は、基本の設定さえきちんと押さえておけば、自分好みの女性として想像を膨らませてみても、決して外れることはありません。
言ってみれば、究極の理想の相手を作り出すことができ、しかも、その想像が裏切られることは少ないのです。
キャラクターもそれにハマる人も、性格、立場、考え方などが違うため、萌えキャラにハマる理由もそれぞれでしょう。そのため、これがすべてではありませんし、当てはまらない人もいるでしょう。しかし、こうやって考えていくと、萌えキャラが理想的な女性であることは確か。ハマってしまうのも、仕方がないのかもしれませんね。
文●四条さやか
■四条さやか
有限会社フォークリア代表。心理アナリスト、ビューティライフコンサルタント。美容専門編集者を経て独立。NLP、イメージコンサルティング、各種セラピーの資格を活かし、“内と外から生活充実サポート”をモットーに人間心理や見た目からの印象戦略、パーソナリティ活用などをテーマに活動中。現在は 19本の連載と書籍執筆を中心に、セミナー、講演、専門学校講師活動など仕事中心の日々。恋愛は最近アドバイザー役ばかり。相談に乗った人の恋愛成就率が高いことだけが自慢。著作は『LOVE&SEX心理テスト』他
これは当っているぞ・・・・うむうむ確かにって感じ!